第7回 インテリア設計士の家具デザインコンペ結果について 「ありそうでまだない家具」2nd round
熊本県インテリア設計士協会主催
1 審査経過
応募作品は合計56点。鶴崎工高18点、八代工高18点、長崎工高3点、熊本工高6点、熊本デザイン専門学校4点、日本文理大学7点であった。
大学、専門学校、工業高校と校種の違いはあるが、一括して審査することに問題はないだろうと判断した。
第1次審査:全作品について応募資格・応募条件の確認をおこなったが、人物を描いていない作品が4点もあった。条件違反ということでこれらを除いた52点を二次審査対象とした。
第2次審査:各審査員が全作品の中から5点ずつ選び、第3次審査対象とした。
第3次審査:第2次審査を通った作品22点を各審査員が評価表に基づいて評価していった。第一印象度、デザイン力(アイデア、展開力)、表現力(図面効果、説明の分かりやすさ)について、それぞれ5点満点で合計25点満点として評価した。次に審査員6名の合計点をつけ、その点数順に審査員全員で作品について検討し、入選作品を決定した。
2 熊本県インテリア設計士協会のコンペのねらい
熊本県インテリア設計士協会では、インテリア業界の実力アップとレベルの向上のために、インテリア設計士試験を進めており、その一方で若手のインテリアへの関心を高めたいと考えてきた。昨年に続き家具コンペを実施し、56点(昨年は69点)もの応募があった。設計士協会ではインテリアに関心をもった人材育成を基本スタンスとして、今後も家具コンペを継続するので、各学校でもアイデアと表現力の訓練という位置づけで、気軽に家具コンペに取り組んでもらえたら幸いである。
3 入選作品
○最優秀賞 熊本工業高校 3年 吉海 彩花
「Variety Pole」
【講評】今回は様々な要素をコンパクトに組み合わせた動かすことのできる家具の提案が多かった。その中で、本作品は構成力、表現力とも他の作品に比べて長けていた。「可動」の提案に関しては、構造上不安な点、コンパクトになるか、動く必要があるか、などの課題は残る。画力はあるので、今後は模型等で構造的に成り立つか等も検討してほしい。
○優秀賞 鶴崎工業高校 3年 菊池 麗乃
「MY Shelf Space」
【講評】このような形状の本棚はあるが、この作品は「その場で座って読める」といった、ベンチと本棚が曲線で一体化しており、機能でインテリアエレメントとしても美しく、面白い。本棚やフェイク本の材質、厚さ等の記載がないため、耐荷重、取付などの課題は残る。子供用としても提案するのであれば、高さの配慮も必要だったのではないか。
○佳 作 鶴崎工業高校 3年 鈴東 きらら
「おや、優美 小さな姫の成長とともに」
鶴崎工業高校 3年 横溝 美優 「たまごのきち」
八代工業高校 3年 福田セリカ 「ジグザグちょー度」
熊本デザイン専門学校 1年 橋本 早紀
「TEN Changes〜空間をより良く使うために〜」
○奨励賞 長崎工業高校 3年 河喜多亜実 「3typeデスクボックス」
日本文理大学 3年 成瀬 文香 「おりがみ家具」
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