第8回 インテリア設計士の家具デザインコンペ結果について
「ありそうでまだない家具」3rd round
主催:大分県インテリア設計士協会
(一般社団法人日本インテリア設計士協会正会員)
協力:公益社団法人日本建築家協会九州支部大分地域会
1 審査経過
応募作品は、熊本工業高校6点、長崎工業高校4点、都城工業高校7点、鳥栖工業高校3点、八代工業高校24点、宮崎工業高校6点、球磨工業高校4点、大分県立工科短期大学校1点、薩南工業高校2点、鶴崎工業高校19点、大分県立芸術文化短期大学5点、日本文理大学12点、合計93点でした。昨年までの採点方法を踏襲し、年齢で部門を変えることはせず、すべての作品を同一の基準で審査しました。
〈第一次審査〉 全作品について応募資格・応募条件を確認し、人物の描かれていない作品7点を失格としました。
〈第二次審査〉 7名の審査員が5作品ずつ選び、第一印象度、デザイン力(アイデア、展開力)、表現力(図面効果、説明の分かりやすさ)について、それぞれ5点満点で合計25点満点として評価しました。
〈第三次審査〉 審査員全員で合計点数順に作品を検討し、入選者を決定しました。
2 大分県インテリア設計士協会のコンペのねらい
これまで、個人の実力向上によるインテリア業界全体の底上げのためにインテリア設計士試験を実施するとともに、若い学生たちのインテリアへの関心を高めるため、熊本県インテリア設計士協会主催により7年連続でインテリア設計士の家具デザインコンペを開催してきました。先般、協会の解散に伴い、熊本での取り組みを大分県インテリア設計士協会で引き継ぐにあたり、引き続き同様の内容で家具コンペを実施することとしました。
九州においてこうしたコンペを開催することは、延いては地域のインテリア・空間デザイン・建築文化の発展につながると考えており、次年度以降も家具コンペを継続いたしますので、これからも各学校でデザイン教育に役立てていただき、積極的に取り組んでいただけますと幸いです。
3 入選作品
○最優秀賞 日本文理大学 3年 江藤 まどか
「glampe」
【講評】 照明を葡萄の房に例え、灯りをちぎって持ち歩くという発想は極めて斬新で高く評価したい。熱を持たないLED照明と軽くて容量の大きいバッテリーの普及なくしては実現し得ない、まさしくありそうでまだない家具である。プレゼンテーションも美しく分かりやすい。審査員の総意により、最優秀賞を授与する。
○優秀賞 熊本工業高校 3年 杉山 大輝
「わた雲」
【講評】 まるでわた雲のように、掴み所のない不定形の椅子ともクッションとも何ともいえない物体である。一見ふかふかしているように見えるが、FRP・ウレタン・皮革による断面構造であり、どのように座ってもしっかり身体をサポートしてくれる。表現が不十分ではあるが、内部空間についても考えているようである。
○優秀賞 大分県立芸術文化短期大学 1年 佐藤 亜紀
「coron」
【講評】 コイル状の形を椅子に見立てた発想が出色である。実際にモックアップを制作した努力と情熱も素晴らしい。ただ作って満足することなく、様々な使われ方を想像し、分かりやすく説明図をレイアウトして作品をPRする能力に長けている。使い勝手はともかく、単純な発想からデザインへと昇華させる才能に溢れた作品である。
○佳作 大分県立芸術文化短期大学 1年 大石 咲月
「いっしょトンネル」
日本文理大学 3年 松崎 祥治
「動かせる!キッチン」
大分県立工科短期大学校 2年 安藤 佳音
「大分の樹 ―cedar chair―」
○奨励賞 八代工業高校 3年 松平 栞奈
「くるくる食器棚」
長崎工業高校 3年 島本 えみり
「custom table」
鶴崎工業高校 3年 金丸 茜
「ピタゴラスツール」
鳥栖工業高校 3年 姫野 稀央
「Tish & Garbage can」
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