第11回 インテリア設計士の家具デザインコンペ結果について
「“しなやか”な家具」
主催:大分県インテリア設計士協会
((一社)日本インテリア設計士協会正会員)
協賛:(一社)日本インテリア設計士協会・
(公社)大分県建築士会 大分支部・
JIA(公社)日本建築家協会 九州支部 大分地域会
後援:日本インテリア学会 九州支部
1 審査経過
熊本工業高校より39作品、球磨工業高校より23作品、日本文理大学より17作品、鶴崎工業高校より15作品、日本デザイナー学院九州校より9作品、熊本デザイン専門学校より8作品、西日本工業大学より7作品、近畿大学より3作品、北九州市立大学より2作品、鳥栖工業高校より2作品、麻生建築&デザイン専門学校より1作品、佐世保工業高校より1作品の応募をいただき、応募総数は127作品でした。
昨年までの採点方法を踏襲し、年齢で部門を変えることはせず、すべての作品を同一の基準で審査しました。
〈第一次審査〉
全作品について応募資格・応募条件を確認し、裏面にエントリーシートを貼り付けていない作品、A3横使いでない作品、人物の描かれていない作品を失格としました。
〈第二次審査〉
7名の審査員が8作品ずつを選び、第一印象度、デザイン力(アイデア、展開力)、表現力(図面効果、説明の分かりやすさ)について、それぞれ5点満点で合計25点満点として評価しました。
〈第三次審査〉
審査員全員で合計点数順に作品を検討し、入選者を決定しました。
2 大分県インテリア設計士協会のコンペのねらい
若い学生たちのインテリアへの関心を高めるため、熊本県インテリア設計士協会主催により7年間、大分県インテリア設計士協会主催により4年間、合計11年間連続でインテリア設計士の家具デザインコンペを開催してきました。九州においてこうしたコンペを開催することは、延いては地域のインテリア・空間デザイン・建築文化の発展につながると考えています。次年度以降も家具コンペを継続いたしますので、これからも各学校でデザイン教育に役立てていただき、積極的に取り組んでいただけますと幸いです。
3 入選作品
○最優秀賞・JIA賞 熊本工業高校 インテリア科 3年 伊藤 颯太
「光樋」
【講評】 提案の仕組みは一種の水力発電であり、それ自体は新しい手法ではありませんが、生み出した電気で鎖樋そのものを照らしだし「しなやかな雨水の流れを可視化する」試みは、シンプルな発想だからこそ見るものの心を打ちます。暗闇のなかに「光樋」が浮かび上がるプレゼンテーションも出色のでき栄えです。2年連続で熊本工業高校の作品が最優秀賞となりました。
本作品には最優秀賞に加え、公益社団法人日本建築家協会九州支部大分地域会により「JIA賞」が授与されます。
○優秀賞 西日本工業大学 建築学科 3年 高松 迅
「コワノブ」
【講評】 通常は玄関のドアノブと手すりですが、災害時に建物が変形してドアが開けられなくなったとき、取り外してつなげることでバールとして転用し、ドアをこじ開けて脱出するというアイデアです。万が一の時に家の部品を別の用途に転用する「しなやかな機能」の提案が高く評価されました。
○優秀賞 熊本デザイン専門学校 建築・インテリアデザイン 2年 三浦 康平
「HAKO BASE」
【講評】 文字通り多面を使う〈多面的な使用〉により様々なかたちの〈ひみつきち〉となり、その中に入る子どもたちに多様な行為を促します。転がして使うという、大型の家具では有りそうで意外にまだ無いと思われる新しい「しなやかな利用形態」の提案が、高く評価されました。
○建築士会賞 日本文理大学 建築学科 3年 田嶋 瑠衣
「食器のジャングルジム」
【講評】 公益社団法人大分県建築士会 大分支部のご協賛により今年度より設定された「建築士会賞」受賞作品です。
食器を編みに引っかけて固定する家具です。多くの上位入賞者が、"しなやかさ"とは何かを深く追求した作品を目指すなかで、この作品はシンプルに「しなやかな家具」を志向している点が、審査委員会メンバーの目にはかえって目新しく感じられました。
○佳作 鶴崎工業高校 産業デザイン科 3年 中野 都夢妃
「ゲンカンスタンド」
日本文理大学 建築学科 3年 木村 優花
「潔いのれん」
熊本工業高校 インテリア科 2年 立元 昊
「Reuse tree」
○奨励賞 日本デザイナー学院九州校 くらしデザイン科 1年 田中 魅子
「FLALAMP」
球磨工業高校 建築科 3年 椎屋 太斗
「Cairve 曲線(curve)と空気(air)の融合」
北九州市立大学 建築デザイン学科 3年 富山 佳紀
「Dekoisu / Bokoisu / Zaisu」
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